2008年6月9日月曜日

邦題。

 日本で映画が公開されるに当たって、英語表記のままじゃなんのこっちゃ全然解らないもんだから、鑑賞者が解りやすいように邦題をつける。

 「Close Encounter of the Third Kind」
 →未知との遭遇

 「Clockworks Orange」
 →時計仕掛けのオレンジ

 
 こんなのは、本来の意味も含めて「粋」な一つの芸術として昇華させてもいいようなナイスな邦題だと思っております。個人的に。というよりも、昔は極力「日本オリジナル」の色を出さないように、シンプル且つ頭を使って邦題をつけていたのが功を奏していたのだと思われます。


 その後になって、邦題をつける際には「訳」では無く「そのまま横文字」をつける傾向が強くなります。これは一重に、「ハリウッドもややこしい長いタイトルは避けるようになった」背景が。

 長いタイトルを避ける→短くてインパクトのあるキャッチーなタイトルをつける→日本国内でも横文字に耐えうる短さ&インパクトのあるタイトル な訳で。

 「JAWS」→ジョーズ
 「OMEN」→オーメン
 
 とかね。


 この時期を過ぎると、殆どが英語タイトルをそのままカタカナにする邦題が増えてきます。そう。このころから様子がおかしくなってきた。

 なぜなら。レンタルビデオの繁栄&未公開映画の氾濫があるからなのです。

 続きは次回。
 

2008年6月6日金曜日

ムービーサマー!!


 いやぁ。身辺も大分落ち着いてきたので久しく更新だよ。


 6月に入ると、突然新作公開映画の量が増えます。サマーシーズンの到来。


 そもそも5月(GW近辺)は「映画を劇場でかけてもあまり入りが良くない」ってのが業界の常だったらしく、その皺寄せが6月以降に来るからなんだろうけど。


 でも近年、「スパイダーマン3」やら「ダ・ヴィンチ・コード」やらは果敢に5月公開に挑み、何とか成功を収めてきているので「5月敬遠」傾向は薄れて来ているのかしら。


 洋画なたまだしも、今年の特異な現象の一つともいえる「5月に邦画だらけ」は異様でしたね。特に「相棒」以外大コケ(というか作品自体が酷いらしい。)

という悲惨な結果。これを受けてまた来年から「5月離れ」が目立つかも知れませんね。



 さて。6月以降、楽しみな映画が増えます。


 軽く挙げると


 REC

 幻影師アイゼンハイム

 JUNO

 イースタン・プロミス

 ザ・マジックアワー

 アフタースクール

 リボルバー

 ラスベガスをぶっつぶせ

 インディ4

 ハンコック

 HOT FUZZ

 アイアンマン

 ダークナイト


 ・・・・など



 上記以外にも腐るほど映画は公開されるわけですが、中でもお勧めしたいのが


 「JUNO」と「HOT FUZZ」。


 両者とも大箱でかかる規模の映画では決して無いんだけれどもかなり傑作。

(※「JUNO」は宣伝会社の人に聞いたら江戸らいふのライターさんは観賞済みだそうで。面白かったでしょ?山下さん言ってたよ。)


 「JUNO」


 16歳のアウトロー女子高生が妊娠して大騒ぎする話。



 
「HOT FUZZ」


 敏腕巡査とオタク巡査が寒村の事件に挑む!ヤヴァイ話。



 騙されたと思って是非観賞してみるがよろし。


 

2008年5月2日金曜日

ニック・キャノン

 ご存知の方も多いと思うが、本日、恐ろしいニュースが世界を巡った。
 かの太っちょディーバ、魔羅嫌、基、マラ嫌キャリーの再婚報道である。

 御年38の彼女が選んだお相手は、チーム松坂世代でもある「ジゴロ」代表のシンガー&アクターな彼。ニック・キャノン。


 マラとの年の差10年以上と中々驚異的な結婚であはあるが、世界的に30代の大人の魅力ある女性が注目されてきている中で、精神的、財産的な面も含め、売名的にもかなりよいPRになることは間違いない。やるなジゴ郎。

 さて、マラとジゴ郎、二人とも基本はボーカルな訳ですが、他のセレブリティと同様に映画出演も果たしているわけで。

 特にマラは、ネットリ助平ボーカルで全米はおろか世界中の女子の股間を水浸しにする「歌う生殖器」エリック・べネイと共演し見事に歌以外のセンスの無さを露呈してしまった「グリッター」が有名。あれを境に彼女の体型はアレサ・フランクリン化が進んでいったのです。相当ショックだったんだろうな。


 一方のジゴ郎は、小品ながらも作品数は多い。デビューの「ドラムライン」をはじめ、ローラースケート場の謎のアフロを演じた「ロール・バウンス」、群像劇で評価の高い「ボビー」や、へんてこサッカー映画「GOAL2」にも出ている。

 がしかし。やっぱり評価は決して高くは無い。最近はアニメ映画で声の出演をしたり、ゾンビ映画出たり、といろいろ頑張っているみたいなだけに残念。


 歌手から役者に転向して大成功を収めている例としてやはり我等のウィルは欠かすことが出来ないんだけど、こうしてみると、ウィルにはなりきれずにジゴ郎のままなアクターが多いことに気がつく。

 BOWWOW
 RZA
 Mos Def
Ice Cube
 LL Cool J
 Ice T
 Snoop Dogg
 Andre 3000
XZIBIT
 ・・・・・・・・・・

 なんて挙げていってもきりが無いし、まだまだ居るわけですが。(歌が本業の軸をぶらせていない人が殆どなんだろうけどね。)

 上記ではアイス・キューブは飛びぬけてるんだけど、顔の怖さで海外受けはしないんだよね。どうしても。その分米国内ファミリー向けのコメディだったりでアクターとしての評価はグングン上がってるんだけど。後アンドレもね。


 映画を作るにあたって登場人物「黒人男性」の枠は限られていて、コメディアン、実力派のアクター、歌手、オーディション・・・とキャスティングの際には「映画の質」と「映画の宣伝」の両方を考慮しなければならない。

 特に最近では歌手上がりの起用が多く見られて、従来のアクターが悲鳴を上げている!なんて話も聞くくらい。結構歌手は優遇されてるかもしれないよね。演技以前に知名度として。

 でもそんな中ニックは評価が高くないツ。
 個人的には顔が妖怪みたいで。


 この結婚で仕事の依頼が増えるか!!!


 ちょい話が脱線しましたが。まだまだこれからが楽しみな27歳のジゴ郎と、ピークは過ぎたであろう38歳のマラが結ばれたことによって、どんな化学反応が生まれるのか。とても興味津々。ジゴ郎にとって、役者としての肥やしになるのか、マラにとっての肥やしになるのか。



 ちなみに邦題に関しては後日。

2008年4月19日土曜日

「僕たちのアナ・バナナ」




 原題は「Keeping The Faith」。



 『セブン』、『レッドドラゴン』等、大作に出ているイメージが強いけど、意外と作品数は少ないんだと驚いたカメレオン俳優エドワード・ノートンの初監督作品。主演には御馴染みフラット・パックのボス、ベン・スティラー、エドワード・ノートンも出演している。


                  エドワード・ノートン

 過去に日本に住んでいた経験があることから大の親日家で知られるエドワード・ノートン(以降エド)はデビュー作『真実の行方』の衝撃的な演技で早くも注目され、『アメリカン・ヒストリーX』では大増量に挑戦し、普段の華奢なイメージを覆させる筋骨隆々の身体を作り上げて撮影に挑んだりと、演者として話題は尽きない。作品数は少ないながらも、その作品選びと演技に対するアプローチから所謂「曲者」視されている若き名優の1人。

                   これもエド。


 そんなエドの監督デビュー作ということで、どんな妙な映画なのかと当時は大きな話題となっていた(はず)。

 この映画、簡単に言えば「男2、女1の幼馴染が大人になって再開して起こる恋模様(書いていて恥ずかしい)・・」みたいな話なんだけど、非常に興味深い要素が一つあり、ソレが映画を面白くしてくれている。それは。



 『宗教』。



 なんと、幼馴染の男2人はアイルランド系とユダヤ系で、成長した現在は共に神父、ラビ(ユダヤ教の牧師みたいなの?)としてある程度の地位を築き上げている。そこにいい女(しかもバリバリのキャリア)になって帰ってきた幼馴染の登場(因みにアイルランド系)で・・・・と、ベタに面白い。




 そもそもこんな小さい島国にいる以上海外の宗教事情はそんなに情報が密に入ってくるわけではないし、キリスト教の牧師と神父の差も微妙といえば微妙。ユダヤ教に至っては何が何だかさっぱり(不勉強・・)。無神論者が多いであろう日本人には有る意味非常に新鮮な話題に恋愛を絡めてくれている、親切で勉強になる映画な訳です。



 映画の流れとしては有る意味尤もらしい、「宗教上の対立以上に人間と人間だろう?」みたいなテーマを含みつつ笑顔で見ていられる小品です。



 海外に出れば様々な人種(系)がいて、しかもソレがドンドン混血になっているわけで。そうすると宗教なんてどれを信じればよいのやら・・と本人達も周りから見ている我々も思うわけですが。そもそも宗教を持っていない私にしてみれば「信仰とは何ぞや」から入って然るべきなのか・・とか、色々と考える事が出来る不思議な映画。



 因みに、個人的に全て「外人」で纏めていた彼らの容姿を、「どれがユダヤ系でどれが何系で・・・」という識別の勉強になれたのが非常によかった。そう言われると確かにユダヤ系!とか。

 

 トム・クルーズやジョン・トラヴォルタを信者に持つ、今話題の「サイエン○ロジー」をチャカす?様なシーンもあったり・・でナカナカ粋な作品を是非観てみよう。




 デカの人種話に触発されてみました。

2008年4月13日日曜日

なんとなくお勧め不気味SF



 夜なのにくんにちは。



 おっと卑猥。

 はじめに。前回の文中ハビエル先生主演作のご案内で「夜が来る前に」と記述しましたが、正確には「夜になるまえに」でした。失礼。



 さて


 最近は超がつくリメイクブームです。



 ハリウッドは自国内での作品が底を突いてきたためか、手当たり次第に他国の作品のリメイクを量産している悲惨な状態。先日も黒沢の「回路」リメイクの「PULSE」、三池の「着信アリ」のリメイク「one missed call」、タイの「心霊写真」のリメイクで落合が監督(無論オレ竜ではない)の「Shutter」(これ、何故か今話題の奥菜恵が幽霊役で出てる。笑う。)が公開されている。全部ほらーだでや。


 ま、そう他所の文句ばかり言っていられないのが今の日本映画界の事情でもあって。黒澤映画のリメイク権を売り散らしてしまった愚息のおかげで重厚な良作たちがペラペラのお遊び映画にリメイクされ始めている。無念。なんだあの隠し砦の三悪人は!レインボーブリッジを封鎖にかかった奴が椿だと!?とかね。



 まま、そんなこんなでリメイクが多いね!って話なんだけど。


 何度も何度もリメイクされている映画って言うのもやっぱりあって。ソレってつまりは本当に名作で、作り直す度に違う味を楽しめる・・っていう理由がある。
先日の「アイアムレジェンド」も地球最後の男のリメイクだし、キングコングだってリメイクだし。名作とされているものはリメイクが多いのよ。

 そして先日日本国内でも「インベージョン」というタイトルでワーナーから劇場公開した作品。これもリメイク物で、ハワイ産オーストラリア醸造の美女ニコール・キッドマン主演、6代目ボンドダニエル兄さん共演のSFサスペンス。


 この映画は実は3度目のリメイクでそもそもはジャック・フィニィの「盗まれた街」を原作にしている。1956年にドン・シーゲル監督の「ボディ・スナッチャー/恐怖の街」で映画化して以来、今までに今回のも入れて4本の作品が存在している。



 今回紹介したいのは2作目に当る、リメイク第一弾。



 「SF/ボディー・スナッチャー」(1978)



 



      監督:フィリップ・カウフマン

      主演:ドナルド・サザーランド
         :ジェフ・ゴールドブラム
         :ブルック・アダムス
         :ヴェロニカ・カートライト
         :レナード・ニモイ




 

 今をときめくジャック・バウアーの親父、ドナルドさんが主演、「インディペンデンス・デイ」のウィル・スミスの相棒、「スタートレック」のスポックさん、などなどが出てます。









 


  あらすじ


 劇場未公開ながらも傑作の誉れ高いドン・シーゲル監督の「ボディ・スナッチャー/恐怖の街」(56)のリメイク。D・サザーランド扮する公衆衛生調査官を主人公に、次々と友人や隣人が侵略者と入れ替わっていく恐怖を描く。外宇宙から飛来する生命体の姿が描かれる冒頭のシーンや、巨大な莢の中で形成されていく人間モドキのシーンなど、「スター・ウォーズ」以降のSFホラーとして特撮が駆使されてはいるが、監督P・カウフマンはそれらに気圧される事無くサスペンス描写に手腕を発揮している。

  ※全洋画サイト参照


 この映画、ホラーよりのタッチでありながら残酷なシーン等は見当たらず、SF映画でありながらサスペンス演出が群を抜いて巧く、地味ながらもジワリジワリと恐怖を味合わせてくれます。正に将棋ならば成す術なく、ゆっくり詰まれる感じ。音楽もそう多くなく、耽々と話が展開していく中で芸達者な主演陣の迫真の演技がより恐怖をリアルなものにしてるのが最高!主要キャラたちが皆何故か「眼が大きい」のも個人的にはかなりのポイント。恐怖に拍車をかける!






:先生、うちの主人が別人なんです!
先生:そんなことあるはず無いじゃないですか!安心してください・・・





 この映画も、殿堂入り級の不朽の名作なのでMGM(つまり20世紀FOX)からDVDが1000円で発売中。レンタル店でも間違いなく置いてあると思われる。マストバイ!



 この映画の難点として強いてあげるとすれば



 ・若干長い映画なので途中で少しでも飽きるとテンションを保ちづらい
 ・派手な描写は皆無に等しいので、ソレを期待すると大外れ。



 が挙げられる。これは結構重要な事なので、留意されたし。



 また、リメイク数が多い事から、別の映画と混同してしまうケースがある。



 

  ※購入、レンタルの際は確認しよう。




 残念な事に古い映画は現在の映画よりも良質である場合が多い。

 「名作」と言われるものは騙されても見てみる価値はあったりするのですよ。


 という事で今回はこんなご紹介。

 次回はアカデミー賞に絡めたお勧めを紹介します。

2008年4月7日月曜日

映画低迷期

 





 先日述べた「Cloverfield」が国内でも公開となり、ま、所謂”トンデモ映画”の匂いが若干する事が発覚しテリーちょっぴり残念。 





 なんて何事も無かったようにシレっと始めてみましたが、皆さんお元気でしょうか。








 さて。前回からの続き・・となるとアカデミー賞関連、その前は何故かジョン・ランディスについて掘り下げており、何がなにやらグチャグチャなまま放置してたわけですが。アカデミーに絡めたお話で一つ。








 先日観賞してまいりました!80回アカデミー賞助演男優賞他4部門を制覇したコーエン兄弟の傑作となった、








 「ノーカントリー」(No country for old men)














 アカデミー賞効果もあってか、現地での興行収入もローバジェット映画の割には大成功ともいえる金額を叩き出しており、コーエン兄弟の懐と心は今最高に満たされていることでしょう。





 このテリー、珍しく面白いと大きな声で言える映画でした。





 


 お世辞にも派手とはいえないキャストに殺風景以外の何物でもないテキサスい風景、シンプルなストーリー展開。しかも現代では受け入れられがたい長尺。なのになのに。最高に興奮できた。








 そもそもこの映画、ジョエル&イーサンのコーエン兄弟が製作、脚本、監督を行っている。(このスタイルが兄弟の映画製作の仕方。殆ど全ての作品がこのスタンスで製作されてる。)この兄弟の手がける作品の殆ど全てが物悲しい人間の性と厳しい現実を描いており、(そこには愉快な展開も勿論あるけれど)基本的に「読後感」がいい作品はあまり無いと個人的に感じている。





 今回の作品もそれに近い物があるので、そういった映画をお金払ってまで鑑賞したくない人にはお勧めしにくいけれども、少しでも興味があれば是非観賞することをお勧めしたい!。





 アカデミーの賞レース予想の時点で殆どの評価が





 助演男優・・・ノーカントリー(ハビエル・バルデム)


 


 と回答していたんだけど、全く持ってその通り。他の作品のノミニーたちとの比較をせずとも黙って賞をあげたい位のもの凄い演技でした。いやまじで。








 そんなハビエル・バルデムはこんな人。








 普段は濃い、非常に濃い男前。ただでさえ見られただけで妊娠しそうな眼光、男なら睾丸が壊死して一生敗北宣言してしまいそうな「男を黙らせ女を喜ばせる」威圧感があるのに、その彼が21世紀を代表するホラー演技をするもんだから半端じゃなかった。どういった様子だったのかは是非自分で確かめていただきたい。








 あくまで私見ではあるけれども。ハビエル君をキャスティングしたことが今回の映画の大成功を呼んだとしか思えない。彼の演技が無かったら演出も編集も大きく違ったに違いない。多分賞レースに作品として食い込めていなかっただろうな。








 



 それだけ鋭い演技をしているハビエル君の勇姿を是非ご堪能下さい。



 因みにハビエル君。スペインの国民的俳優で以前にも「夜が来る前に」でアカデミー賞にノミネートされた経験がある。しかも今の彼女がペネロペ・来栖ときたよ。ああ、スペイン人に生まれたい。

 
 因みにあまりスポットを当ててないけれどもこの映画。素敵な役者が沢山出ていて所謂「激渋い演技合戦」をしてます。

 トミー・リー・ジョーンズ(言わずもがな)
 ジョシュ・ブローリン(グーニーズのお兄ちゃんね。)
 ウディ・ハレルソン(ナチュラル・ボーン・キラーズのハゲ)

 などなど。

 いろんな意味で必見なので是非ご観賞あれ!

2008年3月12日水曜日

アカデミー賞。

 おひさ。



 さて、1月近く開店休業してたテリーでおますが、身辺も落ち着いてきており、なんとかこのお店も再開。



 発表が過ぎてはや2週間以上経っており、最早タイムリーでも何も無い2007年度のアカデミー賞。今回は世界中の映画人が一度は欲しくなるんじゃないかという、このどーでもいい賞について触れてみましょうね。



 

 今回で80回目を迎えていたアカデミー賞。そもそもアカデミー賞とは、1927年5月11日に創立された“映画芸術科学アカデミー協会”が授与する賞のことであります。また、ノミネートされる資格には「ロサンジェルス地域で年内に一週間以上、有料で上映された35ミリ以上の作品に限られる。」というものがあったりします。



 現在、よく言われる主要5部門



 作品賞

 監督賞

 脚本賞

 主演男優賞

 主演女優賞



 のほかにも助演男優賞、助演女優賞、脚色賞、外国語映画賞、作曲賞、歌曲賞、美術賞、衣装デザイン賞、(特殊)メイクアップ賞、音響編集賞、音響調整賞、長編ドキュメンタリー賞、短編ドキュメンタリー賞、短編実写賞、短編アニメーション賞、長編アニメーション賞、名誉賞、ゴードン・E・ソーヤ賞・・とかなりの数が毎年授与されております。



 授与の際に渡される金色の全身タイツ像(オスカー像)の名の由来がその当時のアカデミー事務局女性事務員の「私の叔父、オスカーおじさんに似ている」発言がきっかけだとよく言われますが定かではない。しかしこの説が一般的ではある。うーん。雑。



 因みに授与に際しての(ノミネートも含む)受賞者選定能力を持つ、所謂アカデミー会員は一見さんお断りの完全推薦入会という非常に高い壁を持っていて、映画界に対貢献度合が高くないと推薦していただけないそうな。因みに現在の会員数は5000人を超えているそうな。





 因みに対極をなす「ゴールデン・ラズベリー賞」(ラジー賞、所謂最低映画賞)に関しても冗談半分とはいえ500人にも上る「ゴールデン・ラズベリー賞財団」員による入念な選定が行われている。これナカナカ馬鹿馬鹿しいが、毎年必見。無論この賞に関してはノミニー誰一人として名誉とは思っていないので授賞式に現われないのが常だけど、95年の「ショーガール」の監督P・バーホーベン、そして「チョコレート」で黒人女性初のアカデミー賞主演女優賞を受賞したハリー・ベリーもその後のトホホ作「キャットウーマン」で見事ラジーをゲットした際に会場に現われ、登壇しスピーチをかまして大喝采だったらしい。


 ちょっと疲れてきたので、次回もっとコユイアカデミー賞話をしましょう。

 ソレが済んだらサボテン・ブラザーズ!

2008年2月14日木曜日

『ジョン・ランディスの素敵な映画たち』(狼男アメリカン編)










 さて、前節に続き巨匠ジョン・ランディス映画に関してお話を。




 今回もコメディの流れで話を進めようかとも思ったけれども、ジョン・ランディスの別の顔も知って貰おうと思い、今回は「ホラー」テイストな作品を。



 以前書いた我らがマイコーの傑作アルバム『Thriller』の件(以前の記事では「セールス4000万枚以上」と述べたが、調べによると今現在このアルバムは全世界で累計1億枚以上のセールスを挙げてるそうな・・・異常だね。顔も異常だけど。)でタイトル曲「スリラー」のPVについて触れたが、このPVの演出をしたジョン・ランディス、そして特殊メイクを担当したリック・ベイカーがタッグを組んだ傑作映画



 『狼男アメリカン』(1981)


 について今日はいってみよう。



 『スリラー』PVより前に製作されたこの作品は、タイトルそのまんまなんだが「狼男」の映画。昔から西洋ではドラキュラ、フランケンシュタインと並び古典ホラーのアイコンとして認知されているキャラクターだけれども、簡単に言ってしまえばそれの現代版だな。



 傑作サディスティック・スリラー『HOSTEL』(2005:イーライ・ロス)が如くバックパッカーとして欧州を旅するアメリカ人青年が、イギリスの寒村で巻き込まれた事件から自身が狼男へと変貌していく事実に葛藤するという、実にシンプルな内容で、今では「現代ホラー(狼男映画)の名作」「ホラーファンなら避けて通れない道」と位置づけられてる。


 しかしながら、この映画の本当の面白さは「ホラー」な部分ではなく、ジョン・ランディスの演出による何とも可笑しさを誘う「コメディ」な部分にある。なので「ホラー映画」として鑑賞してしまうと時代の流れも加味すれば少し物足りない作品に感じるかもしれない。(現に評価は真っ二つ。無論当飯店は肯定派ですがね。)



 この映画を評価するに当たって、いくつかポイントがあるので挙げてみる。


 1:古典ホラー(伝統的ホラー)を崩壊させた演出 
 2:(当時は)リアル過ぎる特殊メイク
 3:遊び心のある会話
 4:お洒落な音楽




 (1)本編中如実に現れているわけではないが、この作品から現代のように「ホラー映画演出に対する姿勢は崩してもいいんだ!」という流れが出来たように思われる(というかそう評価されている)。



 (2)特殊メイク界の重鎮、リック・ベイカーのお仕事は素晴らし過ぎます。ノーマルなヤング白人が汚い狼男に変身する様をゆっくり、丁寧に、しかもリアルに表現していて、コレに関しては今でも充分に、イやそれ以上に堪能できる。因みにこの作品でリック・ベイカーはアカデミー賞特殊メイクアップ賞受賞しとります。あたりまえだ!






 



   狼男・・・っていうよりは、体毛濃い人だよね。この段階。

 (3)特になんだけど、主人公と相方役のグリフィン・ダン(今でも小汚いおっさんだけど、この時もかなり老け顔。)との拍子抜けしてしまう会話はホラーな設定であるにも拘らず可笑しくて仕方が無い。このグリフィンは冒頭に死んでしまい、主人公の夢?の中でしか登場しないのだが(死んでるから完全にゾンビメイクね。)全く怖くない。グロいけど。寧ろ笑う。




右のヤングがグリフィン君。

 


 (4)これはもう、ジョン・ランディスの音楽チョイスが光る。狼男=月のイメージから、それに纏わる選曲が全編を彩るんですがこれがもう。秀逸。オープニングの”ブルームーン”から始まり、様々な曲が流れるのでありますが、この辺はあんまり詳しく無いので止めとく。でも本当にぴったり。


 上記の他にも特筆すべき点があるのだとは思うんだけど、やっぱりこの4つは外せないと思うな。これだけで評価が高まっているとは思わないけれども、少なくともこれ等は評価ポイント。



 逆に。「ホラー映画」的要素で評価されるべき部分はあるのか?って話になるんだけれども、コレがねぇ。なんとも。確かにグロテスクな部分が突然出てきたり、リック・ベイカーの仕事のおかげでリアルな描写があったり・・・と決してホラー的要素が無いわけでは無いんだけども、どうしても其処は「コメディの巨匠」が故、物足りなさを禁じえないのも否めない。いわゆるホラー映画にありがちなショッキングなシーンと言う物を殆ど排絶したような演出なので(じっくり魅せる部分も若干あるけれど)、そこがホラーファンに対しては頂けなかったのかも知れないな。そこが評価が分かれるポイントかも。




                「ギャー」な胸毛と手の様子。


 主人公がなんとも情けない奴で、冒頭で事件に巻き込まれてから悪夢に魘されて入院中も看護婦に甘えっぱなしで、退院してもヒモが如く看護婦宅に入り浸り、夜になると動き回り・・・・となんとも。感情移入は出来ないよね。でも其処がいいのかも。



 甘えっぱなし且つヤる事はしっかりヤる。
  ある意味立派な「狼」男。




 終盤やっぱり狼男に変貌した主人公はロンドンの中心街を大暴れしながら周囲の皆様に多大な迷惑を及ぼし、『ブルース・ブラザーズ』宜しくカークラッシュの嵐をも巻き起こし、多くの人の命が奪われてしまいます。この辺はホラー映画だったことを思い出させつつ、更にジョン・ランディスらしい派手で大袈裟な演出で味があって好き。




 因みにこの作品。フランス悪女の代表格ジュリー・デルピー主演で

 『ファングルフ 月と心臓』(1997:アンソニー・ウォラー)



 というリメイク?亜流の続編?が出ております。がこっちは駄作。



  表向きはホラーでありながら、ふたを開ければ可笑しい要素もあり、そのくせ妙にリアルでやっぱりホラーだと気づかされるこの作品。この作品を経て「スリラー」、そして気がつけばやっぱり肌に合っていたんだろうコメディ畑に戻っていく(?)ジョン・ランディス。この作品はそんな彼にとって作家としての才能を世間に見せ付ける良いきっかけであり、また自分の限界を知る良いきっかけだったのかも知れません。


 ※余談ではありますが、このジョン・ランディス監督。


 「See you next wednesday!」


 というフレーズが大好きで自身が手がける映画には必ずどこかに出てきます。(美術だったり台詞だったり・・・出所は様々。)これを探してみるのも「ジョン・ランディスの素敵な映画たち」を楽しむ方法の一つかもしれませんね!





 次回はコメディに戻ったジョン・ランディスの作品をご紹介。



 でわでわー。

 

2008年2月13日水曜日

『ジョン・ランディスの素敵な映画たち』(アニマル・ハウス編)




 本日は早い開店。




 さて、前回予告したように今回は『ジョン・ランディスと素敵な映画たち』と言う括りでお話を進めて行こうと思うので宜しゅう。



 70年代後半~80年代を席巻したコメディの巨匠、ジョン・ランディス。ホラー監督としての評価も高く、当時TVシリーズとして大流行していた『トワイライト・ゾーン』(世にも奇妙な物語みたいなもんだね)の映画版『トワイライト・ゾーン/超次元の体験』(1983:オムニバス)でのオープニングエピソードのあの演出はかなり高く評価されております。(個人的に。)観てみたければどーぞ。


 でも彼はやっぱりアメリカン・コメディの監督さんです。



 既に何度も取り上げており、当飯店オールタイムベスト1に輝いている『ブルース・ブラザーズ』ですが、こちらはもう鑑賞者によって好き嫌いが分かれるのでおいておきましょう。今回は別の作品に触れてみます。巨匠ジョン・ランディス監督が『ブルース・ブラザーズ』を撮る前にジョン・ベルーシと組み、手腕を存分に発揮した学生コメディの決定版がこれ。

 アニマル・ハウス(1978)



 アメリカの大学には無くてはならない文化の一つである「友愛会」をベースに展開する、まぁありがちなコメディなんですがね、コレは傑作です。学長の嫁を寝取ったり、めちゃくちゃな嘘ついて女子をナンパしたり、食べ物で戦争したり、口に含んだ物をベーって出したり、馬殺したり、覗きしたり・・・と下らなくて品の無い事ばかりしでかす出来損ないの「デルタ」達と、優等生で優秀なんだけど嫌味な「オメガ」のヤツラが争うみたいな話。
                                                       







             ベルーシとデルタ会の皆さん

 当時は、その脚本の余りのグダグダな内容からどの配給会社にも見向きもされず頓挫しかけていた所、当時SNLのスターだったジョン・ベルーシの出演やドナルド・サザーランドの出演が決まったことでどうにか軌道に乗り出し、また当時『ケンタッキー・フライド・ムービー』(1977:ジョン・ランディス)でコメディ監督として評価されつつあったジョン・ランディスの監督起用が決まったことによって漸く本格的に始動した今作。無論制作費も極めて少なく見積もられており、先に挙げた2人を除けば殆どが無名の新人アクターをオーディションで起用するような状況(今は名優?怪優にまでのし上がった若き日のケヴィン・ベーコンも出演!)だった為キャストバリューも無く、興行的に大コケするだろうと目されていたらしい。


 が、


 ジョン・ベルーシの言葉に表し難い大騒ぎ演技と、思わぬ拾い物だった若手達の「ほぼ素に近い」駄目学生ライフ演技、また明確なビジョンを基に「ドタバタ学園コメディ」を演出していったジョン・ランディス監督の手腕が光り、ティーザー試写(リサーチ用の試写みたいなもんね)では大喝采だったそうな。後はもうトントン拍子。この後に続くコメディのスタートラインとなるような大傑作として現在に残るわけです。



 現在この作品はアメリカ国内で「永久保存映画指定」を受けており、ま、この品の無い教育上よく無さそうな映画が認定される所なんかはアメリカの映画に対する寛容さが伺える所なんですが、鑑賞すればその理由もなんとなく解る。



 この映画を機にスター街道を上り詰めていった若手が少ないのは残念だけども(でも主演のトム・ハルス『アマデウス』(1984:ミロシュ・フォアマン)で主演だし、カレン・アレン『レイダース』(1981:スピルバーグ)なんかに出てて、今度の「インディ・ジョーンズ4」にも出演しておるそうな)、出演している彼らにとってこの作品は胸を張って誇れる作品の一つでしょう。本当に傑作です。


 放校の危機にありながらも狂ったジョン・ベルーシの「トーガ!トーガ!」の一声でギリシャ風パーティーで大暴れする件は最高。パーティーシーンではかの”Otis Day&The Knights”をゲストに呼びアイズリーズの「Shout」をカバーした大ヒット曲を熱唱。あんなパーティーを今でもしたい。あのモチベーションが欲しい。



               トーガパーティで狂うベルーシ

 この映画の素敵な所は、こんな大暴れする学生達でも大物になれるんだぞ!というオチがついている所。ベルーシ演ずる”ブルート”は大学8年生にも拘らず、将来は安泰・・・らしい。しょうも無い男達にエールを送り勇気を与えてくれるエナジー映画でもあるのだ!(詳しくはネタバレになってしまうので書けないけど、ボンクラ男子にはありがたいオチです。)

 製作にはコメディ界の雄アイヴァン・ライトマン(ゴースト・バスターズの監督さん)、脚本にはハロルド・ライミス(ゴースト・バスターズの眼鏡の人)が絡んでおり、その後のコメディ界に大きく関っていく彼らにとっても非常に大きな作品だったと言えますね。うーん素敵。



 この映画でも大暴れの怪演を見せるジョン・ベルーシはこの数年後、更なる活躍を期待されつつもこの世を去ってしまっているので、彼の元気な姿が拝める貴重な一本としても捉えられている今作。品の無い描写やダラダラ続く展開が肌に合う人合わない人が大きく分かれると思うけど、観ておいて損は無い作品です。是非ご鑑賞あれ。


 因みに現在は、2007年11月に発売された廉価版が1,500円でユニバーサル・ピクチャーズから発売されております。 『アニマル・ハウス』



 因みに・・・


 以前、”フラット・パック”の回で触れた、ルーク・ウィルソン、ヴィンス・ヴォーン、ウィル・フェレル主演の爆笑作『アダルト・スクール』は”現代版アニマル・ハウス(成人バージョン)”のような内容になっているので、こちらも必見。この作品も製作総指揮にアイヴァン・ライトマンが名を連ねている所をみるとなんとも嬉しい感覚が芽生えます。


              こっちもお勧め「アダルト・スクール」

 さてさて。今回は『ブルース・ブラザーズ』に次ぐ「ジョン・ランディス&ジョン・ベルーシ」コンビの傑作の紹介をしましたが、次回はジョン・ベルーシ亡き後に奮闘するジョン・ランディス作に触れたいと思います。


 でわでわー。

2008年2月12日火曜日

スリラー

 
 さて。何故か「bmr」最新号の特集が、かの有名なマイコーの傑作アルバム








    「thriller」





 
  の25周年記念特集だったので、スリラーから話を膨らませてみようかなと。



 「off the wall」の頃から、圧倒的に顔の様子がおかしくなっているのが一目瞭然な彼が全精力を振り絞り、Q・ジョーンズと熱いタッグで世に送り出したザ・名盤。記憶が確かなら全世界で4000万枚以上のセールスを叩き出したモンスターアルバムな筈。




 売れすぎてアル・ヤンコビック、竹中直人にもパロディされてます。




  
 最早どれがどれだかさっぱりです。






 このアルバムは今でも楽しめる名曲盛り沢山ですが、中でも有名なのはやっぱりタイトル曲である「スリラー」でしょう。MTV大爆発の契機となったであろうあのキャッチー且つホラーなPVも手伝って、大旋風を巻き起こしておりました。
(にっこりテリーもスリラーダンスを幼稚園時期に親から仕込まれていた歴史あり。)ま、なんてことは音楽好きなら誰でも知ってることなので深くは追求しません。




「整形しすぎるとこうなるんだぞぉぉぉ。」


 
 さて、この頃から音楽業界ではPVの重要性が話題になっておりましたが、何度も言うように、きっかけはやっぱり「スリラー」のPV。これは間違いない。或る意味、映像的にも音楽的にも歴史に残る一曲であり一枚であったわけです。さすがマイコー。




 そんな「スリラー」PVを世に送り出したのが、以前にも登場したこの方。



 ○ジョン・ランディス氏




 メールボーイからスタントマンを経て映画監督になった異色の経歴を持つ彼。脚本を重視する演出スタイルで、コメディアン気質の人間がアドリブの効き過ぎた演技などした時には徹底的にダメ出しをするような姿勢から、出演者とのいさかいもよく耳にした名物監督。普段の人柄は陽気で笑顔で・・・といった様子なんだけど、映画(特に演出)に関しては確固たるビジョンが在ったようで、特にエディ・マーフィーとの確執は有名。



 70年代後半~80年代を代表するコメディの巨匠でありながら、描写としてはホラーとも取れるコメディ臭のする作品(『狼男アメリカン』『トワイライト・ゾーン』)も手がけており、或る意味映画史に残る一人でしょう。(そのせいもあってか近年では「アメリカン・ナイトメア」への出演や、「マスターズ・オブ・ホラー」への参加があった。良かった!)

 そんな彼の傑作はやっぱり『ブルース・ブラザーズ』なんだけど、最早しつこいので敢えて触れませぬ。しかしながら彼は他にも素敵な作品をドロップしてくれているので、次回からは



 『ジョン・ランディスの素敵な映画たち』



 というお題で進めて行きたいと思う。宜しくおねがいしまつ。






 さて、スリラー。

 当時は『狼男アメリカン』(1981:ジョン・ランディス)が世に出た後。しかもこの映画で特殊メイクを手掛けたリック・ベイカー(この人に関してはまた別途。)の狼男&ゾンビメイクが世間に衝撃を与えた頃でして。丁度、アカデミー賞の特殊メイクアップ賞が出来たのもこの頃。まさに特殊メイクが世間に認知されてきた時期といっても過言ではないでしょう。そんな時期にジョン・ランディス自信も『ブルース・ブラザーズ』でミュージカル調の演出は経験済み。まさに旬な2人が絶好のタイミングで受けたお仕事だったわけです。

当時としては破格の80万ドルを10分弱のPVにつぎ込む贅沢っぷりを発揮し、特殊メイクを凝りに凝り、贅沢且つ大胆な演出を施し、歴史に残る一本となったわけでおま。
 (もっとも、リック・ベイカーのゾンビメイクよりも、マイコーの整形による変貌ッっぷりの方が脅威だった、という声もある。)
 

  そんなスリラーの25周年記念盤が2月20日発売らしい。
 今観ると果たしてどの程度の作品だったのか楽しみですね。

 おい!『ストンプ・ザ・ヤード』DVDの発売被るじゃないか!こっちもお勧め!
 

 スリラーから話を膨らますどころかまた底の浅い駄文になってしまっているが、これも修練として精進すべし。うむ。




 でわでわー。

 ※今回は実験的に写真の貼り方を変えたが・・・ううむ。

2008年2月1日金曜日

ハゲオヤジの傑作。

 
 
 既に故人ではあるが、ハゲの男前といえばこの人、ユル・ブリンナーだった。 



                昔のハゲの憧れ、ユル氏

 ハリウッドの一時代を支えた重鎮。エキゾチックな顔立ちと、異様な存在感は映画をより重厚なものにしとりました。


 特に有名なのはやはり、黒澤映画を見事ハリウッド映画にしてしまった


 『荒野の7人』(1960:ジョン・スタージェス)



                  現行ジャケか不安。


 言わずもがなの名作(個人的にはそうは思わないけど。)とされていますが、この映画での彼のオーラったらありません。無口。いぶし銀。ま、大名作なので未見の方は観ればいいじゃん、ってな具合で。特に多くは語りません。



 さて、このユル・ブリンナー(面倒だからユル)が無表情の重厚なオーラを生かして出演したのが大怪作のこちら。



 『ウエストワールド』(1973:マイケル・クライトン)


               ピエール瀧も大絶賛のカルト傑作。



 『ジュラシック・パーク』(1993)等の原作で有名なSF作家、マイケル・クライトンの劇場長編初監督作品でややカルト作。



 ~あらすじ~


 ハイテクノロジーを駆使した施設で、まるで映画のように西部開拓時代や最盛期のローマなどの世界に身を投じて、リアルに生活体験が出来るテーマパーク「デロスランド」。案の定機械に不具合が生じて、西部開拓時代の「やられ役」ロボット他が大暴走して大惨事となっていく・・・。






 この映画でユルは、「荒野の七人」のユル本人をモチーフにした「やられ役」ロボット、という所謂セルフパロディとも言える役を演じている。同じ衣装に同じ顔、同じどっしりとした演技なんだけどロボット。『荒野の7人』公開から10年以上経った作品にも拘らず、見た目が全く変化していないヤングでハゲなルックスがよりロボット感を醸し出していて、これがずっぽりはまり役。終盤のゆったりとしたチェイスシーン等はじんわりと恐怖が近寄ってくる感じが素晴らしく心地よい逸品。若し見つけたならば一度は試してみる価値あり。



                 お顔を外して修理中。

 ってね、本当はユルの話がしたかったわけじゃないんだけどね。



 んで本題。最近のハリウッドで「イケてるハゲ」アクターといえば即座に思い浮かぶのがこの二人。



 ・ブルース・ウィリス
 ・ジェイソン・ステイサム


 ジェイソン・ステイサムに関しては大好きな役者の一人なので後日改めて言及するとしてですね。今回は皆さんもご存知のダイハードなおっさんについて。



               現代のハゲの味方。ありがとう。


 このおっさん。うすらハゲのコメディアン系上がりがいつの間にか「共感しやすいハードボイルドなアクション俳優」→「脚本にこだわるクールな俳優」へと変化してきました。このおっさんと言えばやはり『ダイハード』シリーズだったり、『シックス・センス』だったりが有名なはず。面白いし。


 しかし。彼には隠れた(別に隠れちゃいないが)痛快アクション・エンタテインメント傑作があるのだ!それが!



 『ラスト・ボーイスカウト』(1991:トニー・スコット)



         マイケル・ケイメンのオープニングテーマが耳に残る。


 ま、知ってる人は知ってるだろうし、地上波でもよくかかっているので目にしたことがある人も多いはず。製作当時は、最高の値段が付いた脚本にスターの仲間入りをしたブルース・ウィリス、そして職人トニー・スコットの映像で大ヒット間違い無し!とされていたが、そうでもなかった。でもね、当時絶頂を誇っていたウェイアンズ兄弟次男デーモンが共演しており、良質のバディ・ムービーとして、また痛快なアクション、スリリングなアメフト業界の暗部、家族の絆などが程よく盛り込まれたエンタテインメント映画としてお勧めできる一本。


 未だ若かりし頃のBi○chなハリー・ベリーや、昨年日本を巻き込んだブームを呼んだあのビリー・ブランクス氏も出演している不思議な映画でもあります。



 この映画はブルース・ウィリスが『ダイハード』出演で得た自信と安定感、(ま、キャラはやや被りなんだけど)そして台詞回しが前面にでており、或る意味「ダイハード番外編」と考えても面白いかもしれない。(実際、プロデューサーは同じジョエル・シルバー。) ハラハラドキドキと言うよりもテンポよく、なおかつクールに展開していくストーリーを楽しむ感じだけどもね。
 こういった「ダイハードの影に埋もれてしまったやも」知れない作品もとても楽しめちゃうわけです。

          600円?おいおい、そりゃぁないぜ!っていう感じの顔。

 賛否両論ある映画だけど良かったらどーぞ。今ならワーナーからDVDが600円台で売られています。或る意味悲惨。

 因みに写真右のデーモン・ウェイアンズ。彼を含む5人のエンタメファミリー、ウェイアンズ兄弟も最高なので後日改めて。

2008年1月29日火曜日

ヒース・レジャー

 合掌。未だ信じきれず。

2008年1月28日月曜日

それいけスマート

 はい。当店はオフィス街にある為に(?)土日祝日は基本閉店です。

 さて、本日は店長の私にっこりテリーの本物、テリー・クルーズさん出演の公開を控えている作品に触れてみたいと思います。


 『Get Smart』(2008:ピーター・シーガル)


                キーアートで顔が被るなんて。

 このブログじゃ何故か何度も登場している「フラットパック」の一員で『40歳の童貞男』(2005:ジャド・アパトー)で大活躍の”スティーヴ・カレル”主演作。


 どうやら『チャーリーズ・エンジェル』だったり『ミッション・インポッシブル』だったりといった、所謂昔の名作ドラマの現代映画化の一つのようでして、無論私は見たことなんかあるわけも無いのですが。


                大好きスティーヴ・カレル

 解説を読む限りスパイものだそうで。或る意味007シリーズにしたってパロディは多いし、”スパイ”なり”エージェント○×△”みたいな設定ってギミック多いから「笑い」という要素に関しては事欠かないんだろう、と勝手に一安心。でもこうリメイクばかり続くと旧作ファンのひねくれた否定的レビューなんかも挙がってきちゃったりするんだろうから、より現代的な匂いも含ませつつ旧作の良いところを消してしまうような展開になっていないことを願うばかり。


 とまぁ、見ても居ない旧作、新作への疑心暗鬼は何の足しにもならないので、楽しみな要素を挙げてみよう。


 1、キャストが地味にワクワクする。


  主演のスティーヴ・カレルもそうだけど、脇を固める地味に好きな役者達。


 ・アン・ハザウェイ(お姫様~脱ぐ~こき使われる・・など大躍進。)


               有紗に似てなくも無いアン王妃

 ・ロック様(本名、ドウェイン・ジョンソン名義。コミカルな演技に注目)

            コメディアクターの本領発揮か?ロック様


 ・(にっこり)テリー・クルーズ(ムキ2テカ2な体と気持ち悪い動きに注目)

                本当はこんな、にっこりテリー

 他にも間違いの無い脇役がしっかりドラマをサポート。

 ・ビル・マーレイ(ご存知躁病?アクターの代名詞、最近は渋い親父)
 ・テレンス・スタンプ(いつまでたっても同じ顔。吸血鬼か?)



 そして最近話題の「マシ・オカ」も出演してるらしい。へぇ。舞の海なのに。



 正直、キャストの日本国内での知名度の弱さから公開は怪しいかな?なんて思ってた時期もありましたが、配給会社は(アメリカはワーナーだけど、国内はどこだろ・・)「マシ・オカ」効果を狙って公開に踏み切る可能性大。そうなればアメリカンコメディの門戸が開くきっかけにもなるかもね!





 2、スティーヴ・カレルのキャラがどこまで通用するか。


 彼もれっきとした「フラットパック」メンバー。しかしながら知名度は正直周囲より劣っているのは否めない(日本国内でね。)アメリカでも完全に遅咲きな彼が主演を張るということで、作品自体もどう転ぶか実は怪しいところ。未知数もいいとこですよ。しかもリメイクときた。ううん。不安。

 そんな中でどこまで童貞野郎が笑わせてくれるか。そこがね。楽しみですよ。


 そこでこんなトレーラーを入手。



 『Get Smart』 Trailer

 http://uk.movies.yahoo.com/g/Get-Smart/trailers-3659651.html


 ううん。どう転ぶかね。




 野球刑事も大好きなアン・ハザウェイが走ると巨乳が・・・!


 なんて品の無い店発言は控えるとして。


                野球刑事一押しのアンさん



 公開が待ち遠しい一本なのでした。チャンチャン。