本日は早い開店。
さて、前回予告したように今回は『ジョン・ランディスと素敵な映画たち』と言う括りでお話を進めて行こうと思うので宜しゅう。
70年代後半~80年代を席巻したコメディの巨匠、ジョン・ランディス。ホラー監督としての評価も高く、当時TVシリーズとして大流行していた『トワイライト・ゾーン』(世にも奇妙な物語みたいなもんだね)の映画版『トワイライト・ゾーン/超次元の体験』(1983:オムニバス)でのオープニングエピソードのあの演出はかなり高く評価されております。(個人的に。)観てみたければどーぞ。
でも彼はやっぱりアメリカン・コメディの監督さんです。
既に何度も取り上げており、当飯店オールタイムベスト1に輝いている『ブルース・ブラザーズ』ですが、こちらはもう鑑賞者によって好き嫌いが分かれるのでおいておきましょう。今回は別の作品に触れてみます。巨匠ジョン・ランディス監督が『ブルース・ブラザーズ』を撮る前にジョン・ベルーシと組み、手腕を存分に発揮した学生コメディの決定版がこれ。
アニマル・ハウス(1978)
アメリカの大学には無くてはならない文化の一つである「友愛会」をベースに展開する、まぁありがちなコメディなんですがね、コレは傑作です。学長の嫁を寝取ったり、めちゃくちゃな嘘ついて女子をナンパしたり、食べ物で戦争したり、口に含んだ物をベーって出したり、馬殺したり、覗きしたり・・・と下らなくて品の無い事ばかりしでかす出来損ないの「デルタ」達と、優等生で優秀なんだけど嫌味な「オメガ」のヤツラが争うみたいな話。
ベルーシとデルタ会の皆さん。
当時は、その脚本の余りのグダグダな内容からどの配給会社にも見向きもされず頓挫しかけていた所、当時SNLのスターだったジョン・ベルーシの出演やドナルド・サザーランドの出演が決まったことでどうにか軌道に乗り出し、また当時『ケンタッキー・フライド・ムービー』(1977:ジョン・ランディス)でコメディ監督として評価されつつあったジョン・ランディスの監督起用が決まったことによって漸く本格的に始動した今作。無論制作費も極めて少なく見積もられており、先に挙げた2人を除けば殆どが無名の新人アクターをオーディションで起用するような状況(今は名優?怪優にまでのし上がった若き日のケヴィン・ベーコンも出演!)だった為キャストバリューも無く、興行的に大コケするだろうと目されていたらしい。
が、
ジョン・ベルーシの言葉に表し難い大騒ぎ演技と、思わぬ拾い物だった若手達の「ほぼ素に近い」駄目学生ライフ演技、また明確なビジョンを基に「ドタバタ学園コメディ」を演出していったジョン・ランディス監督の手腕が光り、ティーザー試写(リサーチ用の試写みたいなもんね)では大喝采だったそうな。後はもうトントン拍子。この後に続くコメディのスタートラインとなるような大傑作として現在に残るわけです。
現在この作品はアメリカ国内で「永久保存映画指定」を受けており、ま、この品の無い教育上よく無さそうな映画が認定される所なんかはアメリカの映画に対する寛容さが伺える所なんですが、鑑賞すればその理由もなんとなく解る。
この映画を機にスター街道を上り詰めていった若手が少ないのは残念だけども(でも主演のトム・ハルスは『アマデウス』(1984:ミロシュ・フォアマン)で主演だし、カレン・アレンは『レイダース』(1981:スピルバーグ)なんかに出てて、今度の「インディ・ジョーンズ4」にも出演しておるそうな)、出演している彼らにとってこの作品は胸を張って誇れる作品の一つでしょう。本当に傑作です。
放校の危機にありながらも狂ったジョン・ベルーシの「トーガ!トーガ!」の一声でギリシャ風パーティーで大暴れする件は最高。パーティーシーンではかの”Otis Day&The Knights”をゲストに呼びアイズリーズの「Shout」をカバーした大ヒット曲を熱唱。あんなパーティーを今でもしたい。あのモチベーションが欲しい。
トーガパーティで狂うベルーシ
この映画の素敵な所は、こんな大暴れする学生達でも大物になれるんだぞ!というオチがついている所。ベルーシ演ずる”ブルート”は大学8年生にも拘らず、将来は安泰・・・らしい。しょうも無い男達にエールを送り勇気を与えてくれるエナジー映画でもあるのだ!(詳しくはネタバレになってしまうので書けないけど、ボンクラ男子にはありがたいオチです。)
製作にはコメディ界の雄アイヴァン・ライトマン(ゴースト・バスターズの監督さん)、脚本にはハロルド・ライミス(ゴースト・バスターズの眼鏡の人)が絡んでおり、その後のコメディ界に大きく関っていく彼らにとっても非常に大きな作品だったと言えますね。うーん素敵。
この映画でも大暴れの怪演を見せるジョン・ベルーシはこの数年後、更なる活躍を期待されつつもこの世を去ってしまっているので、彼の元気な姿が拝める貴重な一本としても捉えられている今作。品の無い描写やダラダラ続く展開が肌に合う人合わない人が大きく分かれると思うけど、観ておいて損は無い作品です。是非ご鑑賞あれ。
因みに現在は、2007年11月に発売された廉価版が1,500円でユニバーサル・ピクチャーズから発売されております。 『アニマル・ハウス』
因みに・・・
以前、”フラット・パック”の回で触れた、ルーク・ウィルソン、ヴィンス・ヴォーン、ウィル・フェレル主演の爆笑作『アダルト・スクール』は”現代版アニマル・ハウス(成人バージョン)”のような内容になっているので、こちらも必見。この作品も製作総指揮にアイヴァン・ライトマンが名を連ねている所をみるとなんとも嬉しい感覚が芽生えます。
こっちもお勧め「アダルト・スクール」
さてさて。今回は『ブルース・ブラザーズ』に次ぐ「ジョン・ランディス&ジョン・ベルーシ」コンビの傑作の紹介をしましたが、次回はジョン・ベルーシ亡き後に奮闘するジョン・ランディス作に触れたいと思います。
でわでわー。
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