さて。前号で簡単に触れた『Blues Brothers』。
公開は1980年(日本は1981年)。
18年の時を経て続編が製作されました。
『ブルース・ブラザーズ2000』(ジョン・ランディス:1998)
奇跡の続編(ジョン・ベルーシは不在)
正直、前作のような味わい深い「カルト感」は感じられない。ストーリーも狙ったかのように前作をなぞらえて展開する。しかしながら、固定ファンにはそれが心地よいのも事実。20年弱の年月を経て、前作のキャラクターは今どうなっているか・・・のような楽しみが込められている。
製作に当たって一番のネックは、やはり”ジェイク・ブルース(ジョン・ベルーシ)の不在”。彼のカリスマ性とキャラクターの濃さは全編を通じて画面を埋め尽くしていたから。故人となった今、最早どうすることも出来ないのだが・・。
そんな空白を埋めるべく、新しくブルースで兄弟の契りを交わす事になるキャストがこちら。
マイティ・マック(ジョン・グッドマン)(一番右)
キャブ(ジョー・モートン) (左から2番目)
バスター(J・E・ボニファント)(右から2番目の子供)
一番左は18年で太ったエルウッド=ダン
はっきりいって、彼らがジェイク・ブルース(ジョン・ベルーシ)の穴を埋めるには不充分だったというのが率直な感想。しかし演じている彼らも周囲の人間以上にそれを理解しているに違いない。
それでも何故彼らは出演を快諾したのか。それは「前作への愛」に他ならない。例えジェイク・ブルース不在であっても、力が及ばずとも、作品に参加できるということが如何に素敵な事なのかが彼らには解っていたのですよ。
それほど前作は偉大であったわけです。
(しかしながら新キャストの3人は今すぐ転職出来そうな歌唱力で、これまた圧巻!特にキャブ&バスターは逸材。)
更に前作の偉大さを感じさせるのは「超有名アーティストの出演」。前作から引き続きJ・B御大(最早この方も故人ですが・・・)、アレサ・フランクリン女史は出演。しかしここで留まらないのが『・・・2000』の凄さ。ありとあらゆるR&B系アーティストが総揃いで作品に敬意を示しています。
正直あまりブルース音楽?には詳しくないので、本当のファンには堪らない面子であったんだろうけれども、其処までは解らず・・。無念。しかし素人の僕でも解るB・E・キング、E・クラプトン、W・ピケット、やばくキュートなエリカ・バドゥなども居たので、充分でしょう!
前作のジェイク・ブルースのキャラを使ったコメディ色は『・・・2000』には見られず、コメディ、という点では明らかに見劣りするんだけれども、前作よりも優れているような気がする点が一つ。それは
「音楽」。
前作以上に盛り上がるライブシーンや豪華な出演者のソウルフルなボーカル、音楽で繋がる人々が沢山描かれており、その点では前作と双肩若しくは凌駕しているのではないかと私的には思ってしまう。そういった意味でもサントラは必聴&マストバイの逸品。
2作とも未見の方は間違いなく
『ブルース・ブラザーズ』→『ブルース・ブラザーズ2000』の順に観賞する事を強く、強くお勧めする。そしてどちらかといえば最低でも前作に関してはマストで観賞して頂きたい。
そこで何か不思議な「作品への愛?心地よさ?」を感じてくれたなら、それはもう僕等の仲間入り。何度も何度も観賞してその感情を深めて頂きたい。その後にチャレンジする『・・・2000』には不思議なオーラと哀愁と愛が漂っている作品だと気がつく筈です。
そんな作品です。
世間の流れに逆らわず、続編だけに質は悪いかもしれません。前作に対して愛を感じていなかった観賞者からすれば駄作の粋に入る代物かもしれません。でも其処には愛があるのです。
繰り返し自宅で観賞する作品の一つとして現在でも頑張っていただいておりますが、観賞中にやはり「ジェイク=ジョン・ベルーシ」の不在を悲しみ、どこかにジェイクを探してしまう・・・そんな切ない映画でもあります。
今年は公開10周年です。
是非この機会にご観賞あれ!ルイジアナ・ゲイターボーイズとの圧巻のバンドバトルは必見!そしてエンドロールのコラボは感涙です。
1 件のコメント:
ちなみにシカゴ・ホワイトソックスのホーム@USセルラーフィールドでは、試合終了後にブルースブラザーズでおなじみのSweet Home Chicagoが必ず流れます。
ヤンキースタジアムで言うシナトラみたいなもん。
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