2008年4月19日土曜日

「僕たちのアナ・バナナ」




 原題は「Keeping The Faith」。



 『セブン』、『レッドドラゴン』等、大作に出ているイメージが強いけど、意外と作品数は少ないんだと驚いたカメレオン俳優エドワード・ノートンの初監督作品。主演には御馴染みフラット・パックのボス、ベン・スティラー、エドワード・ノートンも出演している。


                  エドワード・ノートン

 過去に日本に住んでいた経験があることから大の親日家で知られるエドワード・ノートン(以降エド)はデビュー作『真実の行方』の衝撃的な演技で早くも注目され、『アメリカン・ヒストリーX』では大増量に挑戦し、普段の華奢なイメージを覆させる筋骨隆々の身体を作り上げて撮影に挑んだりと、演者として話題は尽きない。作品数は少ないながらも、その作品選びと演技に対するアプローチから所謂「曲者」視されている若き名優の1人。

                   これもエド。


 そんなエドの監督デビュー作ということで、どんな妙な映画なのかと当時は大きな話題となっていた(はず)。

 この映画、簡単に言えば「男2、女1の幼馴染が大人になって再開して起こる恋模様(書いていて恥ずかしい)・・」みたいな話なんだけど、非常に興味深い要素が一つあり、ソレが映画を面白くしてくれている。それは。



 『宗教』。



 なんと、幼馴染の男2人はアイルランド系とユダヤ系で、成長した現在は共に神父、ラビ(ユダヤ教の牧師みたいなの?)としてある程度の地位を築き上げている。そこにいい女(しかもバリバリのキャリア)になって帰ってきた幼馴染の登場(因みにアイルランド系)で・・・・と、ベタに面白い。




 そもそもこんな小さい島国にいる以上海外の宗教事情はそんなに情報が密に入ってくるわけではないし、キリスト教の牧師と神父の差も微妙といえば微妙。ユダヤ教に至っては何が何だかさっぱり(不勉強・・)。無神論者が多いであろう日本人には有る意味非常に新鮮な話題に恋愛を絡めてくれている、親切で勉強になる映画な訳です。



 映画の流れとしては有る意味尤もらしい、「宗教上の対立以上に人間と人間だろう?」みたいなテーマを含みつつ笑顔で見ていられる小品です。



 海外に出れば様々な人種(系)がいて、しかもソレがドンドン混血になっているわけで。そうすると宗教なんてどれを信じればよいのやら・・と本人達も周りから見ている我々も思うわけですが。そもそも宗教を持っていない私にしてみれば「信仰とは何ぞや」から入って然るべきなのか・・とか、色々と考える事が出来る不思議な映画。



 因みに、個人的に全て「外人」で纏めていた彼らの容姿を、「どれがユダヤ系でどれが何系で・・・」という識別の勉強になれたのが非常によかった。そう言われると確かにユダヤ系!とか。

 

 トム・クルーズやジョン・トラヴォルタを信者に持つ、今話題の「サイエン○ロジー」をチャカす?様なシーンもあったり・・でナカナカ粋な作品を是非観てみよう。




 デカの人種話に触発されてみました。

2 件のコメント:

デカ さんのコメント...

我らがユーキリスもメジャーリーガーには珍しいユダヤ系です。

ウンチク検事 さんのコメント...

どうして邦題って変なのぉ〜???